日本本来の皇位継承は男系も女系も容認の「双系」:動き出した女性天皇論議


「女系天皇」は存在した

「男系による万世一系の天皇」を強調するため、女系天皇は一人も存在せず、これまでの女帝は「中継ぎ」とされてきた。しかし、「女帝の母から継いだから女系天皇も存在したのに、『後付け』の理屈で過去の女帝はすべて『男系女子』とされてしまった。近親婚が多かったので血筋をたどれば男系ということにされているが、実際は母方、父方、両方の血統を受けた『双系継承』もあったことを見逃してはならない」と高森氏は次のように説明する。

例えば奈良時代の715年、女帝の43代元明天皇の後に長女の44代元正天皇が即位した。元正天皇は母親だけが天皇で父親は皇族だが即位していないので、当時の律令の規定にある「女帝の子」に該当し、母親の血筋で内親王とされた。同時代の法的な位置付けでは明らかに女系による継承だったといえる。

大化の改新で知られる38代天智天皇と、弟の40代天武天皇はどうか。天智天皇は母の37代斉明天皇(2回天皇となり35代皇極天皇でもある)の後を継いだ。父が27年前に亡くなった34代舒明天皇なので、後付けの説明では男系継承とされる。しかし、両親が天皇の天智、天武天皇は母方と父方の血筋を継いだ「双系」的な継承といえよう。

古代史上の女性天皇は推古天皇や持統天皇など大きな役割を果たしている。前述の元明天皇は平城京遷都の大事業を成し遂げており、各女帝は業績がなく単に次の男性天皇への「中継ぎ」だったという見方はあまりにも偏っている。
「法律を変えていけばいい」

戦後、皇室典範は改正された。側室制度はすでに廃止されており、皇位継承は嫡出(正妻の子)という条件が新たに加わって男系男子にしか許されない、日本史上“最狭”の制度になった。その結果、今日、皇位継承資格を持つ次世代の皇族は秋篠宮家の悠仁さまだけという、皇室存続の危機に陥っている。

「女性・女系天皇への道を開くことも不可欠」との報告をまとめた2005年の小泉純一郎内閣の有識者会議で、座長代理を務めた皇室法の第一人者、園部逸夫・元最高裁判事が最近、次のように述べている。

「女性・女系天皇を認めないとの批判の根底には、女性には任せられないという蔑視があるのでしょう。(中略)法律は絶対的な存在ではありません。『法律というのは、国民のために変えていくべきものだ』という気持ちをもって、法律を変えていけばいいわけです」(弁護士ドットコムニュース10月30日)

前述の高森氏はこう強調する。「皇室存続が危ぶまれる中で、中国の影響を受けた男尊女卑の考えを基にした男系男子継承が、日本古来の伝統だと錯覚して、いつまでもこだわり続けるべきではない。『日本国、国民統合の象徴』に女性がなれないという、本来の伝統とは無縁の男女の格差が存続してはならない。伝統とはかけ離れた女性蔑視こそが、皇室の危機の根源にあることを直視すべきだ。国会がようやく動き出そうとする今こそ、『皇位の安定継承』のために皇室典範をどう改正すべきか、国民は注視し、必要な時には声を上げるべきなのです」

高森明勅 斉藤勝久 nippon.com

今現世男系自体無理なんだから女系だろうと構わないのでは。
象徴として敬える様な方になってもらえれば一番良いのでは。
今も世界に残る多くの王室等は時代に合わせてアップデートしてきたからこそ今も存在しているのでしょう。
我が国も皇室典範など改定すべき時期(遅すぎるけど)じゃないょうか。
男系にこだわり皇室を亡ぼすのか、長子制にして皇室を維持するか国民投票でもすればいい。

天皇は、国民の象徴であり、日本は男女平等ですから、女性天皇が誕生して当然の事だと思う。それが出来ないような天皇制では、今の時代には適わないと思います。令和の次は愛子天皇の誕生を希望します。

常識で考えて男系男子を望むなら天皇に側室は必須である。大正天皇も明治天皇の側室の子供だ。一夫一妻制では天皇制は続かない。男系男子としたのは天皇が軍隊の最高指揮官だった時代の名残だ。1945年以降、天皇が軍隊を統括することはなくなり、それと同時に男系男子の妄想は改正すべきだった。ヨーロッパの王室はエリザベス女王で代表されるように早くから第一子が王位継続するのが当たり前になっている。日本も早々に天皇制を継続したいなら見習うべきだ。

国民の総意が何より重要なのではありませんか
そもそも天皇の子を女子のみ“内(内親王)”とすることが立場を狭めています
先ずは天皇の直系を全て親王とし、どうしても性差が必要なら男親王、女親王とするところから変えた方が良いと思います
そして、今上陛下から直系に繋ぐか、秋篠宮家に皇位を移すか国民審査をしてみたらどうでしょう
国民あっての皇室だということです

1件のコメント

>皇室存続が危ぶまれる中で、中国の影響を受けた男尊女卑の考えを基にした男系男子継承が、日本古来の伝統だと錯覚して、いつまでもこだわり続けるべきではない。

皇統は男系男子で繋いできた…というのは、皇統をどうしても「傍系宮家」に移譲したい勢力・権力の作り上げた「捏造」なのですね。

傍系宮家の不祥事やズル・不正、姻族の反社交際・出鱈目の学歴等が明らかになって、その勢力・権力からの弾圧が一層酷くなったように思います。

令和の世が永く続き、清廉潔白な皇室になりますように。

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