「世界の平和を願って…」 愛子さま「卒業文集」に現れる皇女の品位


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愛子さま、いよいよ高校卒業

学習院女子高等科はもうそろそろ春休み。

先日、天皇陛下の長女、愛子さまが学習院大学に進学することが発表されたが、その前に、いよいよ来月の3月20日(金)に学習院女子高等科の卒業式が行われる予定だ。

高校の思い出と言えば、『卒業文集』となるだろう。思えば今から3年前、中等科を卒業する愛子さまの作文を宮内庁は公表したが、高等科の卒業文集の公開はどうなるのだろうか。中等科時代の作文は公表して高等科のそれは非公表…とはならないはずだろうから、今から1か月後が待ち遠しい限りである。

愛子さま、中学3年生の卒業文集

さて、3年前の愛子さま中等科卒業時の卒業文集に掲載された作文は「世界平和を願って」という文章だった。中学生とは思えない聡明で、文学的な深みのある文体に感動した人も少なくなかっただろう。

今一度、全文を掲載し、愛子さまの歩みを振り返りたいと思う。

「世界の平和を願って」

敬宮 愛子

 卒業をひかえた冬の朝、急ぎ足で学校の門をくぐり、ふと空を見上げた。雲一つない澄み渡った空がそこにあった。家族に見守られ、毎日学校で学べること、友達が待っていてくれること……なんて幸せなのだろう。なんて平和なのだろう。青い空を見て、そんなことを心の中でつぶやいた。このように私の意識が大きく変わったのは、中3の5月に修学旅行で広島を訪れてからである。

 原爆ドームを目の前にした私は、突然足が動かなくなった。まるで、71年前の8月6日、その日その場に自分がいるように思えた。ドーム型の鉄骨と外壁の一部だけが今も残っている原爆ドーム。写真で見たことはあったが、ここまで悲惨な状態であることに衝撃を受けた。平和記念資料館には、焼け焦げた姿で亡くなっている子供が抱えていたお弁当箱、熱線や放射能による人体への被害、後遺症など様々な展示があった。これが実際に起きたことなのか、と私は目を疑った。平常心で見ることはできなかった。そして、何よりも、原爆が何十万人という人の命を奪ったことに、怒りと悲しみを覚えた。命が助かっても、家族を失い、支えてくれる人も失い、生きていく希望も失い、人々はどのような気持ちで毎日を過ごしていたのだろうか。私には想像もつかなかった。

 最初に71年前の8月6日に自分がいるように思えたのは、被害にあった人々の苦しみ、無念さが伝わってきたからに違いない。これは、本当に原爆が落ちた場所を実際に見なければ感じることのできない貴重な体験であった。

 その2週間後、アメリカのオバマ大統領も広島を訪問され、「共に、平和を広め、核兵器のない世界を追求する勇気を持とう」と説いた。オバマ大統領は、自らの手で折った2羽の折り鶴に、その思いを込めて、平和記念資料館にそっと置いていかれたそうだ。私たちも皆で折ってつなげた千羽鶴を手向けた。私たちの千羽鶴の他、この地を訪れた多くの人々が捧げた千羽鶴、世界中から届けられた千羽鶴、沢山(たくさん)の折り鶴を見たときに、皆の思いは一つであることに改めて気づかされた。

 平和記念公園の中で、ずっと燃え続けている「平和の灯」。これには、核兵器が地球上から姿を消す日まで燃やし続けようという願いが込められている。この灯は、平和のシンボルとして様々な行事で採火されている。原爆死没者慰霊碑の前に立ったとき、平和の灯の向こうに原爆ドームが見えた。間近で見た悲惨な原爆ドームとは違って、皆の深い願いや思いがアーチの中に包まれ、原爆ドームが守られているように思われた。「平和とは何か」ということを考える原点がここにあった。

 平和を願わない人はいない。だから、私たちは度々「平和」「平和」と口に出して言う。しかし、世界の平和の実現は容易ではない。今でも世界の各地で紛争に苦しむ人々が大勢いる。では、どうやって平和を実現したらよいのだろうか。

 何気(なにげ)なく見た青い空。しかし、空が青いのは当たり前ではない。毎日不自由なく生活ができること、争いごとなく安心して暮らせることも、当たり前だと思ってはいけない。なぜなら、戦時中の人々は、それが当たり前にできなかったのだから。日常の生活の一つひとつ、他の人からの親切一つひとつに感謝し、他の人を思いやるところから「平和」は始まるのではないだろうか。

 そして、唯一の被爆国に生まれた私たち日本人は、自分の目で見て、感じたことを世界に広く発信していく必要があると思う。「平和」は、人任せにするのではなく、一人ひとりの思いや責任ある行動で築きあげていくものだから。

 「平和」についてさらに考えを深めたいときには、また広島を訪れたい。きっと答えの手がかりが何か見つかるだろう。そして、いつか、そう遠くない将来に、核兵器のない世の中が実現し、広島の「平和の灯」の灯が消されることを心から願っている。

2017年3月22日、宮内庁公開「敬宮愛子内親王殿下 卒業作文」

以上である。

皇女ならではの聡明な文章

いかがだろうか。まるで「詔勅」を拝読している気持ちになってしまうと言ったら言い過ぎになるだろうか…

このように綺麗な日本語をわずか15歳の女子中学生が書いたとは、今更ながらに感嘆を禁じ得ない。

皇室が一貫して背負ってきたテーマである「平和」、それをバランスよく組み込み、アメリカの大統領という’’自分の父親の仕事相手’’にも言及する工夫は外交官であった皇后陛下の血筋も感じさせる文章ではないだろうか。

皇室に関してはさまざまな憶測記事や忖度報道が散見されることもままあるものの、この愛子さまの卒業文集の作文は、ゴーストライターなどいるはずもない愛子さまの直筆である。愛子さまが春から通われる学習院大学の学部は、さすがの文章力に裏打ちされた「文学部日本文学学科」である。

これから大学生となる愛子さまはいったいどのような大人に育ち、どのような活躍をされるのだろう。

令和唯一の皇女の大人の人生は、まだ序章にすぎない。

5件のコメント

令和唯一の皇女の大人の人生は、まだ序章にすぎない。

≫令和の時代の天皇皇后両陛下は、日本が本当の意味で先進国の仲間入りを果たすための道筋をお付けになられるのが役割です。今回の両陛下お揃いでのエリザベス女王のご葬儀ご出席はそのための新しい第一歩と言えると思います。一歩一歩誠実な歩みを積み重ねることの大切さを国民に示してくださる両陛下。その歩みが妨げられることなく続けられ、愛子様に受け継がれて行くことを心よりお祈り申しあげております。

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愛子様は平和を、実践されてますね。

ティアラを辞退なさいました。
立派です。

エリザベス女王亡くなったからでしょうか。
イギリスといえばガーデニング、薔薇の国…いきなり薔薇のアーチの話をし出したがいましたね…なんか愛子様とはだいぶ違う在り方ですよね。

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すべての過程をすっ飛ばしていきなりガーデニングで薔薇のアーチとか言い出すのはインスタ映えやメディア映りばかり考えて来たことの証しですかね。

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お庭掛かりの職員さんを顎で使って作った薔薇のアーチの下で般若の如くカメラ目線の不気味な笑いを浮かべる鬼子の姿が見えるようです。

「令和唯一の皇女」ですよね❗️

「皇女」「内親王」を秋篠家の娘にも使わせるようにしたのは 美智子前。
「敬宮」という称号を「令和唯一の皇女」に使わせないよう弾圧を掛けたのも美智子前❗️

昨日の某宮家のヨメの汚誕生日文書、6000字。自分ちの姉弟の成長を讃え、無駄に長い自己満足作文。
56歳とは思えぬ稚拙な文書。

敬宮愛子さまの中学三年生の作文は、素直で思いやりに溢れ、気品が感じられる。

正当なお血筋や賢明なご両親の元で育つことの大切さ=皇室はこうあって欲しい❗️

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